今回はDTPの相場のお話。
企業に勤められている方は、このチラシをいくらで作りますということをクライアントに直接伝えるということは少ないと思いますが、フリーランスとなると、そうはいきません。
「◯◯◯円でできます」伝えなければいけません。印刷まで行う場合、ディレクションまで行う場合、デザインだけ行う場合、発注内容で金額は大きく変わってきます。
こちらのサイトに金額が載っていますので、参照してください。
大体A4片面で20,000〜35,000円
B4片面で30,000〜45,000円
くらいのデザイン費が相場のようですがこれはおそらくデザイン費だけだと思います。
ここに編集費や修正が多い場合はいくらのような感じでプラスしていくイメージだと思います。
会社によって金額が違うのは当然ですが、場所によっても違います。
これは全国に支社がある印刷会社に聞いたのですが、
「東京」「名古屋」「大阪」でデザイン費は、「名古屋」が圧倒的に安い!
というのを聞いたことがあります。ですので、東京の仕事を名古屋にお願いしてやってもらうということがあるらしいです。
名古屋だけでなく、現在DTP業界全体の発注金額は下がりつつあります。
原因としては単純です。
- WEB広告・販促がメインとなりつつある
- 景気低下と共に紙のサイズが小さくなる
- ラクスルを中心とした安価印刷の台頭 etc
私が業界に入った十数年前はまだまだ元気で、パチンコ屋ではチラシで変形(定型のサイズではない紙はとっても高い!)や箔押し(印刷会社によりますが、箔押しだと4色+2色分の金額)をする会社などがありました。
それが紙サイズがB3からB4へ、裏面は2色刷り、発送地域の縮小に伴い印刷部数の削減などが起こり始めます。
WEB広告・販促がメインとなりつつある
総務省サイトより
これに関してはみなさんも感じていることでしょう。
インターネットは企業の広告手段としても定着してきた。電通の調査によると、1996年には16億円にすぎなかったインターネット広告費は、2003年には1,000億円を突破し、2009年には新聞を抜いて地上波テレビに次ぐメディアとなった。2014年には1兆円を超えるまで成長している
会社内での広告宣伝費は決まっていますから、その中でのWeb販促への割合が増えてきています。
印刷とは違い、修正、アップデートが可能です。印刷の場合、間違えれば刷り直しです。Webであれば、手間はありますが、大きなお金をかけずに修正することができます。
そして、かなり大きいところでアクセス解析がしやすいというところでしょう。アクセスしてくる性別、年齢などは購買ターゲット層を絞るのに大きな効果を発揮します。
紙媒体でも解析はしていますが、解析件数や精度は段違いです。
景気低下と共に紙のサイズが小さくなる
前述にも出したように、会社は広告宣伝費を予算として出しますが、景気低下で売り上げが落ちてきたときに、最初に削減していくお金の筆頭が、広告宣伝費でしょう。
チラシを作る際、一番お金がかかるのは印刷代です。単純に印刷部数が、多ければ多いほど儲かります。そして、チラシを見直す際に最初に行うのが、サイズと印刷部数です。
部数が下がると、輪転印刷ではなくオフセット印刷などに切り替えられる場合があります。こうなると1枚あたりの単価が大きく変わってきます。その増えた分は負担をしなくてはいけない場合も…。
そのあとに、色数やデザインのフォーマット化など、我々が関係してくるところになります。
ラクスルを中心とした安価印刷の台頭
ラクスルなどで安価にチラシが打てることが広まると、それまで仕事していたところにも金額の見直しなどが入ります。それが様々なところで広まっていくと、「ウチも、ウチも」と連鎖して、全体の価格が段々と下がっていく我々にとっては「負のスパイラル」が起きます。
それで金額や条件面などで見直しを迫られ、まだ採算がでるところはいいですが、マイナスになってしまうことがあります。廃業…。
ここで「うちはクオリティで勝負します」なんて通用しません。クオリティを大事にしてくれるところなんてほんの一握りに過ぎません。
大多数のクライアントにとって、一番気がかりは金額ですから。
最後に
少なくとも今後さらに辛い状況になることも考えられるでしょう。
このままDTPデザインを続けていくのか、辞めるのか、Webに移行するのか、はたまた全く別のことをするのか…。
考え方はひとそれぞれでいいのですが、変わらずこのままの続けるという選択は辛いのではないかと思います。
続けていく方は、DTPデザイナー + ◯◯ が重要ではないかと思います。
◯◯はスキルなのか、業種なのか、それは個々の選択になりますが、考えていかなくてはいけません。