今回はポートフォリオの重要性のお話。
ポートフォリオ、作品集はデザイナーにとって「顔」です。
デザイナーの実務経験のアピール方法において、ポートフォリオ以上に適切な資料はありません。面接の前、つまりエントリーの段階で、履歴書・職務経歴書と並んで、事前にポートフォリオの提出を求める会社も数多くあります。このような会社では、まずポートフォリオがなくては、お話になりません。
では、どのようなポートフォリオを作ればいいのでしょうか?
と、その前に私の昔の会社員時代の話を先に。
一番最初の広告代理店がデザイナーとしてのベースになっているのでここでの話を最初に書こうと思います。
社会人になり、一番最初に入った広告代理店ですが、ココは2年くらいで辞めました。
辞めた理由としては様々ありますが、完結に言うと典型的なブラック企業だったからです!
広告代理店のデザイナーとして入社したのですが、マジで朝から晩まで仕事、仕事、仕事でした。終電で帰るのが基本で、正直今の年齢であれをやれと言われたら…。
そして、重要なところで給料です!めちゃ安いです。今の月収の数分の一です。よく一人暮らしやって行けてたなぁと思います。
そして一番嫌だったのが朝礼です。掛け声を当番制で前に出て叫び、そのあとみんなの前で一言話すのですが、本当にこれがイヤ。朝一からこんなハイテンションにはなれないです。
ここの会社は全国に数カ所支社があり、私が入ったのは、支社ができて2年目のところでした。デザイン部には先輩が4人(+アルバイト1人)いて、同期入社は私を含めて5人(正確には新卒のタイミングから少し遅れて入社した)でした。
働きはじめて1年弱くらいで、先輩が2人やめることになりました。
デザイン部の一番トップの方は、夜勤でやっていたので、そこのタイミングで班を持つことになりました。2班あって私ともう一人の同期入社の人がそれぞれ班長として立つことになりました。もう一人の先輩はあまりリーダーっぽい感じではないので…。
急に降りかかった班長職ですが、この期間での出来事が割と今でも心がけていることにつながっていると思います。
この会社では、ちょくちょくデザイナー志望の面接が入ります。トップの方が夜勤務なので、私が担当していました。
ここでは軽い面接と(職場の空気感と合っているか)実技(簡単なDMの作成)と作品集の確認なのですが、正直面接と実技はあまり重要視していませんでした。
デザイナーなんて営業職の人と比べると変わっている人が多いし、実技に関しても慣れればある程度できるし。
私は作品集を重要と考えていました。
作品を集めたものは、作品集(ポートフォリオ)ではない。
過去に作ったものを、ただファイリングしたものは作品集ではありません。
作品集自体も作品でないといけないと考えています。初めて会う人がどんな人柄で、どんなスキルがあるかなんて、心底はわかりません。
作品集はデザイナーにとって、その場所で自分を表現する一番のツールなわけですから、それをただファイルに突っ込んでまとめてくるだけの人はダメだと思います。
早くから採用される側と、採用する側を体験できた私ですが、クオリティや作品集の良し悪しの感じ方は、人によって違います。明らかな正解がない世界で仕事をしていると、より強く感じます。
- デザインのスキルを見せる
- 伝える能力を見せる
- 自分自身をデザインする能力
1.デザインのスキルを見せる
新卒であれば、どれだけのセンス、授業以外でやってきたかを見る
中途であれば、どのような仕事をやってきたのか、どのレベルの人材なのか
2.伝える能力を見せる
たくさんの仕事をやってきたからといって、膨大な量を作品集に詰め込むのは間違いです。採用する方も忙しいですので。自分の力量を伝えるためには、どの作品を入れればいいのか、どう説明を入れればいいのか
3.自分をデザインする能力
これが一番重要!
自分をデザインする。どう見せるか、見られると良いのか、そのためにどうするかを考え、形にできるか
結果これに尽きます。
Web上のポートフォリオも
最近は紙のポートフォリオではなく、Web上でポートフォリオを作る方も多くいます。
私も最近は名刺にポートフォリオのURLを書いてあり、後から見てもらうことが多いです。
お客さんの多くがデザイン会社、代理店なので、時間のない方が多いですし、PCを設置していないところはないですから。私も持っていかなくて済みますし。
最後に
自分自身をしっかりと伝えられる、見せられる(デザインする)ことが重要です。
さらには世の中、ハッタリも必要です。ちょっとでもやったことがあることはできます!と言い切っちゃうのもアリかもしれません。
SNSや動画などのインフルエンサーと言われる人たちはこの自分をデザインする能力とハッタリが上手なんだと思います。でも、ウソはいけませんよ!
見せる能力、見られる能力はデザイナーに関わらず、今後生きていく上でもっと重要になっていくでしょう。