昨年1月に東京で発見されたネズミのステンシル。バンクシーの作品だと言われているが真実は?
2019年1月中旬に東京・東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)の日の出駅発見されたバンクシーのものと思われる絵。数年前からそこに存在していたというが、発見後はそれが本物か確かめるべく東京都に回収された。
そして2月8日には小池都知事が「都としては、あの場所に戻して公開をするという考え方は今はない」と発言。
絵の真意に対する専門家の見解が発表され、ロンドン近郊のアートギャラリーで様々なバンクシー作品を所蔵する鑑定家、ジョン・ブランドラーが、過去の作品と照らし合わせると、間違いなく本物。さらに約2000万円から3000万円の価値があると付け足す。
記述した通り、その絵は東京都が保管するという。
と一時期騒がれたバンクシー騒動。
上の写真は騒がれたネズミをちょうど反転したように見えるが、それもそのはず、バンクシーの画集(Wall and Piece)に載っている2003年にバンクシーが東京に残した作品。
ドキュメンタリー映画「イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ」(2010)は、2010年のサンダンス映画祭で公開されている。
2011年1月に、彼の映画はアカデミー賞ベストドキュメンタリー部門にノミネートされた。2014年に、Webbyアワード2014で年間最優秀賞を受賞した。
これらの多くは街頭の壁面などに無断で描かれ、落書きとして行政が清掃などの際に消去する事例もある。
しかし、ロンドンの多くの箇所でバンクシー作品は保護されている。数億と言われるバンクシーの作品が無料で楽しめる箇所がたくさんあります。
グラフィティ・エリア
ナイト・クラブ「カーゴ」
ロボに上書きされたネズミ
実は、メッセージ部分はキング・ロボ(king robbo)によって上書きされています。キング・ロボはバンクシーのライバル的な人物です。
バンクシーは最初、「ロンドン機能せず(LONDON Doesn’t work )」と書きましたが、キング・ロボの手によりそんなわけない!と「I LOVE LONDON ROBBO」と上書きしました。
バスキアとの非公式のコラボです。
バービカン・アート・ギャラリーで2017年9月21日から開催された、アメリカのアーティスト「ジャン=ミシェル・バスキア」のエキシビジョン開幕の数日前に、エキシビジョンの会場近くに突如出現したグラフィティ。
落下する買い物客(Falling Shopper)
このように多くの作品が残っているのは、市区政府がバンクシーの作品を積極的に保護しています。出現すると即座にアクリル板で保護し、バンクシー作品の近くに作品を残したい売名目的のアーティストや反ストリート・アートの活動家などにより、作品が傷がつけられることを防ぐ活動をしています。
そして、ネズミの作品とともに有名になったオークションハウス「サザビーズ」での事件。
10月5日、ロンドンのオークションハウス「サザビーズ」で、バンクシーの絵「風船と少女」が、2人の電話入札者の競争の末、事前予想の3倍に当たる104万2000ポンド(約1億5500万円)で落札されました。これは、過去のバンクシー作品の最高落札額と並ぶ額でした。
「風船と少女」を競売人がハンマーを叩いて落札が決定するのと同時に、会場にアラーム音が鳴り響き、額縁に仕込まれていたシュレッダーが起動。
「風船を持った少女」の下半分が裁断。
バンクシーはInstagramに「破壊の衝動は、創造的でもある」というピカソの言葉と共に、オークション会場で撮影された動画を投稿。「オークションで競売にかけられることに備えて、作品の中に数年前、シュレッダーを潜ませていた」と明らかされました。
クレイジーなバンクシーですが、このハート型の風船に手を伸ばす少女の絵柄は、ブラックユーモアや風刺の利いたバンクシーの作品群のなかでも、もっともストレートに愛や希望、無邪気さを描いた作品で、17年には「イギリス人が好きな芸術作品」ランキングで第1位にも選ばれました。
この風船と少女シリーズは、実はアレンジが加えられてあちこちに出現するシリーズ作です。ロンドンだけでなく、05年に訪れたパレスチナで、パレスチナ人を隔離する分離壁に、銃を構えた兵士の目を盗んで描いたものまであります。
14年にはシリア難民を支援するプロジェクト「#withSyria」のサポートのために、少女にブルカを被せた“シリア難民バージョン”を描いて同団体に寄付しました。
この作品が公開されると、さまざまなアーティストが赤い風船をモチーフにした作品をSNSに投稿する運動が広理、キャンペーンにはクリスティアーノ・ロナウドやビル・ゲイツの妻メリンダ・ゲイツらも参加、ジャスティン・ビーバーは腕に《風船と少女》のタトゥーを入れて話題をさらった。さすが。
様々な場所で注目を集めるバンクシーですが、結局のところ正体は分かっていません!
元をたどれば、グラフィティは犯罪ですので、堂々と正体をバラすということもできないのでしょう。
生まれはイギリス南東部のブリストルに、1973年か1974年生まれだと言われているが公表しているわけではないので正確ではありません。
特定の人物の名を挙げる人もいれば、7人組のグループだという人もいたり、バンクシーの写真が撮れた!となったがフェイクだったりと、謎のままです。
こんな企画をやっちゃうくらい、謎だらけです。
3月から横浜、10月から大阪でバンクシー展が開かれます。
私も時間があれば行きたいと思います。